ゲームデザインをする上で「ジャンル」という考え方は支障になるのでは、と考えています。ジャンル分けすると全く共通点のないはずのタイトルが、実は非常に近いデザインをしていたりします。その意味で、ジャンルという思考方法から離れてみることも必要だと考えます。
「ジャンル」はそもそも、市場向け・プレイヤー向けの言葉です。最近はあまり意味を成していませんが、プレイヤーや小売店が、どういうゲームなのかを判断する為に便宜的に生まれたものです。それゆえ、市場がことなるとジャンル分けも異なります。日本市場と欧米市場のジャンル分けの違いを見ると、「ジャンル」は市場に左右される、絶対的なものではない、と言えるでしょう。
それゆえ、ゲームデザインにおいては「ジャンル」はあまり関係がないと言えます。むしろジャンルという考えに捉われることで、思考停止になり、ゲームデザインを阻害しかねません。後世に大きな影響を与えた名作は、出た当初はどれもジャンル分けが出来ないくらい、ドーンという衝撃とともに生まれています。「ジャンル」は後付に過ぎません。
指輪世界の第二日記・AYS--Let’s follow them.
こちらのお二人は「塊魂」とRPGの類似点を指摘されています。塊魂はアクションにジャンル分けされるタイトルですが、なるほど共通点を感じられます。これは塊魂が2つのジャンルの合成である、ということではなく、ジャンル分けしてしまうことで隠れてしまう共通要素がある、と言うことの一例であると考えられます。
ゲームデザインは言い換えればこのジャンル分けの際に隠れてしまう何らかの要素をデザインする作業といえるのではないかと思います。「ジャンル」と言う考え方を捨てることで見えてくるものは大きい、そう感じざるを得ません。
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